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商品づくりの実務

賞味期限が長い商品でも在庫計画が必要な理由

賞味期限が長い食品なら、ゆっくり売ればよい。そう考える前に、その商品を「いつまで、どこへ出せるか」を確認しましょう。食品には品質の目安としての期限とは別に、納品先の受入条件や、自社が購入者へ約束する期限の残りがあります。販売できる時間を、販路から逆算してみます。

食品の袋と保存容器を置いた棚
この記事の内容
  1. 賞味期限までの日数が、そのまま販売日数にはならない
  2. 売り先ごとの締切を並べる
  3. 期限の列を増やした在庫表
  4. 売り切れる日を一つだけ置かない
  5. 保管場所の容量も期限とセットで考える
  6. 追加発注は残数だけで決めない

賞味期限までの日数が、そのまま販売日数にはならない

賞味期限は、表示された保存方法を守った未開封の食品についての期限です。開封後や条件から外れた保管を含め、品質が続くことを一律に保証する日付ではありません。期限設定はメーカーが示す根拠と条件を確認し、販売計画の都合で延ばさないことが前提になります。

製造日から自社へ納品されるまで、倉庫で受け入れるまで、販売ページを公開するまでにも時間がかかります。計画では「製造から何日」だけでなく、販売開始時点で何日残っている見込みかを書き出します。初回納品日だけが決まり、発売準備が未完了になっていないかも見直します。

売り先ごとの締切を並べる

農林水産省は、賞味期間の一定割合を納品期限とする商慣習と、その緩和の取組を紹介しています。いわゆる「3分の1ルール」はすべての食品や取引へ一律に適用される法律ではありません。実際の取引先がどの条件で受け入れるかを確認する必要があります。

同じ在庫でも、卸先、通販倉庫、自社発送で条件が異なる場合があります。一つの締切を全商品へ当てはめず、取引先の受入期限と、自社が商品ページで案内する残存期間を分けて管理しましょう。納品できる日が先に終わる在庫は、賞味期限が残っていてもその販路へ出せない計画になります。

販売に使える期間を逆算する
製造期限の起点を確認
納品残存期間の条件
販売配送日数も差し引く

期限の列を増やした在庫表

在庫表を個数だけで管理すると、時間の制約を見落としやすくなります。商品名に加えて製造ロットと期限を持たせ、出せる先をひも付けると、次の判断がしやすくなります。

列記録すること
商品・ロット味・容量・ロット番号
数量販売可能分と見本等の確保分
期限表示された賞味期限と保存条件
販路条件納品時に必要な残存期間
出荷締切配送日数を考慮して設定する日
見直し日販売ペースと販路を検討する日
食品の単品袋と出荷箱

売り切れる日を一つだけ置かない

販売予測は、想定どおりのケースだけでなく、遅いケースも作ります。予定数量÷一日あたり販売数でおおよその期間を出し、販路ごとの出荷締切までに収まるかを見ます。数字は実績や具体的な受注見込みから置き、まだ根拠がない部分は仮説と明記します。

広告を増やせば売れる、値下げすれば必ず売り切れる、と決めつけないことも大切です。値下げするなら利益と表示の確認が必要になり、別の販路へ回すなら、その販路の受入条件を再確認します。余りそうになってから初めて動くのではなく、判断する日を在庫表へ先に書きます。

賞味期限が異なるロットを同じ棚に置く場合は、先に出す在庫を誰でも見分けられるようにします。単純に入庫順だけで決めるのではなく、期限と販売先の条件を合わせて判断します。期限の近い在庫を出そうとしても、その注文先の受入条件を満たさなければ別の判断が必要です。

商品ページで「期限が何日以上残った商品を届ける」と案内する場合は、注文時ではなく到着時に守れる条件かを確認します。配送日数の違いを考慮し、発送担当が迷わない出荷締切へ変換してください。案内を変える場合も、すでに受けた注文との関係を整理してから更新します。

保管場所の容量も期限とセットで考える

まとめて作る案を検討するときは、袋数よりも入庫時の箱数や荷姿を聞きます。冷蔵・冷凍なら利用できる保管場所が限られるため、温度帯と入庫予定日を物流担当へ伝えます。倉庫代だけでなく、分納や移送が必要な場合の費用も含めて比較しましょう。

販売用在庫と、検品・撮影・営業用に分けた商品を区別することも有効です。すでに使った見本が在庫数へ残ると、販売可能数と帳簿上の数がずれます。初回から複雑な仕組みを作るより、誰が何を動かしたときに記録するかを決めるところから始められます。

追加発注は残数だけで決めない

在庫が少なく見えても、別の味が多く残っていたり、次回納品までの販売ペースが変わっていたりします。製造のリードタイムだけでなく、資材の残り、次回の仕様、現在庫の期限も並べて判断します。追加発注の前に、初回に置いた販売仮説が合っていたかを振り返りましょう。

既存のプロテイン在庫計画記事では保管量と販売の見通しを扱っています。本記事の期限別・販路別の列を加えると、「まだ残っている」から「どこへいつまで出すか」へ判断を進められます。長い賞味期限は余裕を持つ材料ですが、計画を省ける理由にはなりません。

出典・確認日

情報確認日:2026年10月10日。各社・各機関が公開している情報を参照しています。本文の企画例・比較軸は編集上の整理です。

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